学校ドラマといえば今年に入って『御上先生』にがっかりしたが、これはどうか。
最初のうち、登場人物がカメラ目線で状況を説明したりするメタな演出などにハシリ、これはどうなの、と思ったが、全校集会で壇上に上がった生徒会長(男子)がスカートをはいていて、翌日から休み続けるという謎の展開で見せるのは、これはなかなかうまいぞと思わされた。結局良い話におさまって良かったと思ったのだが、この1話、終盤で見直したら大感動してしまった。表現されているのは「友情」の一つのありようなのだが、これを安っぽかったり暑苦しかったりせずに、切実で抑制が効いていて深慮に支えられながら純真だと感じさせる脚本の力と役者陣の仕事に敬意を表したい。
その後も、とりわけ若手俳優陣の熱演に支えられて感動的なエピソードが描かれるのは『最高の教師』以来だ。
学校という空間を好きになれない子供はいる、という至極真っ当な事実を誠実に描いていて、一方でいたずらに学校を悪者にすることなく、といって青春の幻想にまみれた聖域として描くでもない。『御上先生』のように、教育問題を描くと振りかぶりながら完全に肩すかしになっているドラマと違って、とても愛おしいドラマだった。
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