こちらが本命で前作を観たのだった。前作の準主役の本田望結が、こちらでは主役となる。前作で「きさらぎ駅」に残してきた恒内を救うために異世界に戻る。
冒頭、モキュメンタリーふうに展開するので、これは白石晃士監督だったっけと思ったが違った。CGの安っぽさも白石作品を彷彿とさせるが。
そこで異世界に戻る動機を説明しておいて、さて「きさらぎ駅」に戻ってからの展開はおなじみ。先の展開を知っているぞと思うと、ところどころ微妙に変化したりもする。で、やっぱりうまくいかないと思っていると展開の冒頭に戻る。あれっ、これはループものではないか!
となれば、これはやりなおしながらクリアを目指すことになるのだが、その過程でどんどん面白くなっていった。試行錯誤で課題を解決していく創意工夫も、習熟して敵を打ち倒す爽快感も楽しい。演出はそれを意図して「ノって」いることが明らかだった。
まるでホラーではない。前作も怖くはなかったが本作は怖くなりようがない。同乗者が「仲間」になっていくのだ。不愉快でしかなかったあのホラーにおける脇役が。彼らは通常、不愉快であることと引き換えにホラーにおける犠牲者となるのがお約束なのだが、本作では物語が進むにつれて、主人公とともに課題をクリアしようとする盟友になってくる。『遺書、公開。』の映画版は、原作のその要素が削られていたのが残念だったが、こんなところでその要素が満たされる映画に出くわそうとは。
本作の本田望結は前向きで真摯で、いくらか脳天気ともいえる明るさが魅力的で、本作の味わいにもおおいにプラス要素だった。