映画館で予告編を観た時は心躍ったが、テレビで本編を観ると残念な出来だった。
アカデミー賞では撮影や音響や照明などの裏方が受賞したのは大いに納得できる。これだけの映画の撮影は大変だったはずだ。だから監督賞もぎりぎり受け容れてもいい。
だが作品としてはやはり弱い。同じタイプの映画として『シン・ゴジラ』とか『日本の一番長い日』『突入せよ! あさま山荘事件』などに比べてあまりに弱い。だから本当は監督としても、庵野秀明や原田眞人には比ぶべくもない。
例えば官邸や本店を悪者にして現場を英雄視することが、どれほどドラマツルギーにとってマイナスなのかをなぜ誰か指摘しないのか。
よしんば現場の苦労だけを描くとしても、その選択が本当にぎりぎりであるようなバランスが描かれない。脚本も弱いのだろうが、演出で見せるべき要素でもある。
映画としての纏まりという点でも、どこまでの出来事を物語の枠に収めるのかが伝わりにくく、盛り上がりも中途半端で終わってしまって、拍子抜けだった。
外人の出てくる場面の安っぽさは、どこぞのネットの感想で「再現ドラマレベル」という評が実に。いっそあんな場面を挿入しなければいいのに。
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