2017年12月25日月曜日

『トレマーズ5 ブラッドライン』ー午後のロードショーにふさわしい

 「午後のロードショー」という放送枠にふさわしいB級映画だが、観る。もちろん傑作だった第1作に操を立てているのだ。
 といって2作目も3作目も、1にもましてB級の極みに突き進んで、そこまで設定をトンデモな方向に展開してどうする、と思ったものの、それなりの面白さはあった。
 それは何にもまして脚本の出来であり、演出の手堅さあってのことだ。
 だが(期待していたわけでもないが、やはり)5作目では残念なできだった。CGの進歩で、クリーチャーの質感こそ悪くないが、実際のところ別にそんなところを見たいのではない。とにかくサスペンスとアイデアと愛すべきキャラクターたちなのだ。第1作が傑作たり得ていたのはそれだったではないか。
 何を「面白さ」として想定するかというアイデアが足りないのは、金のかかる映画という創作物にとっていかにも不幸なことだと思われるが、もう一つ、この映画で気になったのは、空間の見せ方の不親切だ。どういう空間にだれがどこにいて、怪物がどこから襲っているのかという把握がしづらい。観客が体で恐怖を感じ取れない。
 これがサスペンスを減じているのは演出の問題だ。

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