もちろん宮崎吾朗に期待はしていない。それどころかまるでそれを確認するためだけに見ているようなことになっている。そしてやはりそのとおり確認されてしまうのだった。
こういう設定で、こういう物語で、父親ならばきっとそこら中が面白いと思える描写をするのだろうといちいち思わされる。
比較が可能な、どこかで見た物語の感触だからこそ、だ。「魔女」ときて「宅急便」や「ハウル」を連想しないはずはない。そして、あれらは全体として不満があるにもかかわらず、細部の描写はやはり手堅く面白いのだった。
それがない息子の作品は、才能と言えば身も蓋もないが、まずは人間をどれほど愛おしいものとして見ているか、というあたりに差がありそうな気がするのだ。
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