2022年9月27日火曜日

『埋もれる殺意 18年後の慟哭』

 イギリスBBC制作の刑事ドラマ。このところ「特捜部Q」はデンマーク、最近観ている『アストラッドとラファエル』はフランス、とヨーロッパの刑事ドラマでは面白いものを観ているが、古くは「ミレニアム」シリーズはスウェーデン、もっと遡れば「第一容疑者」シリーズはイギリスのグラナダTVだった。このレベルの刑事ドラマを日本で探すのは難しい。「トリック」は軽くなってしまって対抗できないが「ケイゾク」の方がまだ味わいがあった。それらのパロディ的な作られ方をしている「クイズ」はさらに好きだった。坂元裕二の「初恋の悪魔」は2話以降を録画して、きっと1話を再放送されると信じてまだ観ていないのだが、こうした名作に対抗できるんだろうか。

 本作は1話45分を6話で、4時間半の長丁場なので、とりあえず観始めて眠くなるまでと思っていたら先が気になり、結局一気見してしまった。こういうのは充実感があって幸せな物語享受だ。

 最初のうちはバラバラな人物たちが描かれ、徐々に彼らが一つの事件に関わっていく。粘り強く観られなければそのテンポの遅さ、それだけに緻密な作りに乗れない。それだけに、楽しくなってしまっていくともうやめられない。人物一人一人がじっくり描かれる情報量の多さとドラマの強さ。

 充実していた。

0 件のコメント:

コメントを投稿