「未体験ゾーンの映画たち2016」の宣伝で気になってレンタルなどを探したがずっと見つからずにいたのが、思いがけずアマプラで。
ループ物だとはわかっている。冒頭近くから入り込む階段のループは安上がりで、ほとんど自主映画レベル。のわりに長い。
次にメキシコかアメリカ南部かの草原を走る車がループに閉じ込められる。これも基本的には階段と同じで、どちらへ行っても同じ場所に帰ってしまう、というパターン。
そういえば「ループ物」といえば時間のループが定番だが、これは空間のループに閉じ込められるパターンなのだった。
さて、ここからの脱出やら原因の究明やらというのがループ物の展開の必須要件だが、ループがシンプルでどうにもならないということか、そこの展開はあまりなく、とにかく長い時間を、繰り返して過ごしていたことだが知れるばかり。その蓄積を示す描写は、前半の安上がりぶりからすると意外なほど物量で偏執狂的な描写をしてくる。そこはまあちょっとした見所ではある。
が、結局謎解きやら脱出やらのカタルシスがない。ループの謎解きが、あまりにわかりにくすぎる。かつ、深淵な思想がありそうで、だからどうしたという印象しかもてない、実は中2なだけではないのかという疑いが捨てきれない理屈でループが想定されているのだった。メタファーとしてもそれほど感じるところのない、どういう必然性があるのかわからない設定だった。
年来の課題は、こうして残念な結末に終わったのだった。
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