2017年9月22日金曜日

『花とアリス殺人事件』-面白さに満足

 この間の『打ち上げ花火~』の流れで、未見だった『花とアリス殺人事件』を見た。
 確かロトスコープを使ってるんだっけと思いながら、なんだかアニメの「ピーピング・ライフ」を思い出しながら見ていた。
 あちらは人物をCGで動かしているんだろうが、なんだろう、セリフの生っぽさが先にある感じが似ているのか。ロトスコープも、生身の人間が演じている「間」が、なんともいえずおかしみを生んでる。「ピーピングライフ」も、たぶんセリフの収録が先で、後から人物を動かしてるんだろうという気がする。
 笑いの感じも似ていると言えば似ている。
 ということはつまり、映画的な特別さはそれほどなかったのだった。岩井俊二が作る「世界」とでもいうような、特別な時空間があるというような感じは。
 それでがっかりしたかといえばそんなことはない。充分に面白かった。蒼井優のアリスは、中学生にしてはいささか声が老けているが、とぼけていたり、そのわりに激しいリアクションがあったり、面倒くさがったり活動的だったり、観ていて実に面白いキャラクターだった。
 どうして登場シーンがアンバランスなのかとは思ったが、鈴木杏の花の方も、後半に出てきて結局すっかりアリスに並んでしまう存在感が『花とアリス』だなあ、と満足。

 あの強烈な「むつむつみ」は何だか知っているような気がすると思ったら鈴木蘭々か! そういえば「Love Letter」に似たようなキャラクターで出てたっけ。

 ロトスコープの効果だかなんだか、アリスが街中を走っているシーンが、ただその映像だけで劇的なのはなんなんだろうな。

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