2026年3月10日火曜日

『きさらぎ駅』-安っぽくて

 ネット怪談としての「きさらぎ駅」というモチーフに詳しいわけではない。2チャンネルのユーザーではないからまとめて追ったことはなく、いろいろな作品に出てくるので知っているくらい。配信のおすすめに本作がやたらと上がってくるなあと思ってはいるが積極的に見ようという動機はなかった。が、続編の評価がそこそこ高いので、気楽に見られるホラーとして観てしまおうかと。

 いや恐ろしく安っぽかった。あんなCGで劇場版として公開していいのかと思うほど。だがまあそこに金をかけたCGで異界を作ったからといって面白くなるというものでもないのだろう。

 怖かったかというと全く怖くはない。同監督の『真・鮫島事件』の方がずっと怖い。あれも同様に安っぽいCGに驚いたが。

 不思議なことが起こる展開は基本、元になっている都市伝説(いや田舎だが)から引き継いでいるんだろうが、登場人物がゾンビみたいな化け物として襲ってくるなんて展開は原話にはなかったんだろう。そのメイクもまた安っぽい。そして、それらが襲ってくる理由も、その不思議展開も、多分何かの象徴だったりするような意味はない。

 ホラーにおける脇役は不愉快な言動をするのがお決まりで、これもまた定型を守っていたが、残念なことに主演の恒松祐里も魅力的な人物ではなかった。

 このないない尽くしで、うんざりするばかりかというと、これが、なんだか妙に面白かったのだ。これはひとえに原話の世界観の魅力なのだろうと思われる。異世界観を出そうと、いくらか色味を変えたりCGで靄をかけたりしているが、結局はまるで現実のロケ地そのままであることがまるわかりなところが間抜けなのだが、そのことがかえってこの都市伝説の魅力であるようにも感じられる。ただの知らない街並みが、しかし異世界でもある、という。


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