2024年12月27日金曜日

『ザ・デッド2 インディア』

 事前情報なしで観始めると、題名に『2』とある。とりあえず調べてみると、続編とはいえ、全編の「アフリカ」編とは話がつながっているわけではないらしい。アフリカに続いて、インドを舞台にしたゾンビ映画。インドだというのに、物量作戦はとらない。ゾンビの数はごく控えめで、アメリカを舞台にしたほどの広さも感じない。単に予算の都合だろう。別にインドであることの特別さはない。

 が、映画自体は悪くなかった。冒頭のムンバイの町並みを描くカメラが、悪くない映画的手触りを感じさせる。画面の精細さと、スローモーションを交えた編集のリズム。

 ロメロの「ゾンビ」に比べても一層ゆっくりした不活発なゾンビは大した脅威にはならないが、それでも、その条件の中ではそれなりのスリルとサスペンスは描いている。パラグライダーで脱出する際も、簡単にゾンビの群れを置き去りにすることはできず、風に乗れずに一旦ゾンビの群れの中に着陸してしまうあたりの演出はうまいもんだと思う。

 全体がロードムービーになっているのも好感がもてるし、一旦別行動になった登場人物が再会するのは嬉しい。ゾンビ映画ならではの残酷なドラマも描いている。

 悪くない映画だと思っていたが、結末が八方塞がりで終わるのは残念。脱出して終わってほしかった。ここに社会批判や苦さを味わいたいわけではなく、単なる娯楽映画として観たかった。

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