山本直樹の原作は通読していないが、連載を何度か目にしたことはあり、カルト教団の話としては知っている。で、見てみるとあまりに予想通りの狂信を描くばかりでそれ以上のものは描かれない。映画としての文法も凡庸でカットもだらだらと冗長。途中で早送りにしないと見てられん、という凡作だったのだが、なぜかアマプラの評価は高い。
予想通りのカルトの狂信が描かれていたっていいのだ。描き方が細やかで、なるほどこれは怖いと思わされればまた面白く見られもするんだろうに、そんなことはない。狂信への共感が湧いてくるようには描かれていないのだ。ひたすら他人事のように感じてしまう。
にもかかわらず、エピローグで狂信から醒めた主人公が現在の生活にふとカルトの夢を見る一瞬は何やら印象深く、高評価もこれにひっぱらられているのかもしれない。
この、時空の隔たりのようなものを物語に持ち込むのは、安易とも言えるが、やったもん勝ちだとも言える。どう受け取ったものか。
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