坂元裕二の脚本に対する期待から、かえって観ることをためらっていたふしもある。宇田丸さんが言うように面白いんだろうか、と。
さて総評としてはそれほど楽しめなかった。『問題のあるレストラン』でも『カルテット』でも、『大豆田』でも『初恋の悪魔』でも、あんなに面白いテレビドラマに対して、この映画での盛りあがらなさと抵抗感と。クドカンのテレビドラマと映画の差も連想される。
一つにはテレビドラマには、あの長い時間をかけて「彼ら」に感情移入していくことの力がある。その分喪失感は大きい。映画ではあれよと時間が展開して、それほど思い入れないまま、何かが失われるにしても痛みは小さい。
それだけでなく、テレビドラマが隅々まで面白いように、例えば本作は楽しくはなかった。ひとつには「やりすぎ」だと思えてしまったこともある。主人二人の共通点が、これでもかと描かれるが、それはいくらなんでも偶然が過ぎる。最初の押井守をカフェで見かける興奮には共感したが。
それから、やっぱり主人公二人がそれほど好きになれなかったということかもしれない。例えば最近作で言うと『初恋の悪魔』は、 林遣都の「鹿浜」さんに好感が持てたから、あれほど切なかったのだ。本作ではそうはならなかった。なんだろう。二人は共通点で惹かれ合っているが、それは本人たちの人間的魅力なんだろうか。どうもそういうふうには感じなくて、その閉鎖感にうんざりしたのかもしれない。
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