聾唖のヒロインが連続殺人鬼から逃げ続ける一夜の物語。
音が聞こえないから重要な情報を聞き逃すという設定がサスペンスを生む。殺人鬼が近づく気配も、聞き逃してはならない会話も聞こえない。ただし、何か音がなっているとインジケーターが上がるセンサーを自宅の玄関や車に付けていて、それが凶事の予告をヒロインばかりか観客にも伝える。サスペンスを生じさせる工夫としてうまい。
同じく殺人鬼の被害者になりかける女性の兄がヒーローとして配され、堅物の屈強な元海兵隊ということで頼りになりそうだと思っていると、意外なほど間抜けで頼りない。ここは脚本の失敗なのか、意図的なのかよくわからない。ただもどかしい。ヒーローの活躍に快哉を叫びたい観客の期待は裏切られる。
それでもヒロインの健闘に引っ張られて観続けてると、決着の手段はひとひねりされていて、これが売りであることは予告編からもわかる。
ただ、そこから殺人鬼を退治するのがヒーローではなく警察であるのはやはりがっかりではある。あくまで彼に活躍させるつもりはないということなのか、やはり脚本の失敗なのか。さらに、その射撃のリアリティが欠けているのはがっかり。プロは、仲間が対象を取り囲んだ状態で発砲しない。ましてその外側に観客が取り囲んでいるのに、発砲することはありえない。
そんなふうにがっかりな決着を最後に見せられるのは残念。
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