2026年8月14日金曜日

『劇場版 幼女戦記』-ヒトラーのいない

 テレビで新シリーズが始まるにあたって、その前日譚たる劇場版がテレビ放送された。

 約十年前の第1シーズンは観ていたが、転生についての設定と主人公のキャラクターを覚えているくらいで、戦況についての設定はまるで覚えていない。今回2時間を通して観ると、なるほど、この劇場版は独ソ戦なのだった。「連邦」の首都がモスコーで、共産主義者と呼ばれているし、「帝国」の首都はベルンだ。そう思って観ると「共産主義者は畑でとれるのか?」というような台詞が、人的資源を浪費することに躊躇のないスターリンの戦略を皮肉っているのがわかってくる。スターリン(らしき人物)とゴルバチョフ(らしき人物)が同時期にいるのは、歴史をフィクション化する妥協的な描写か。

 そのうえで、そうか、主人公はドイツ軍なのか。「大戦」を描いて、フィクションとはいえドイツに主人公をおいて大丈夫なのか?

 心配にはなったが、「帝国」というからには帝国主義的な国家なのかもしれないし、愛国心はいやというほど強調されているが、今のところファシズムのにおいはしない。ヒトラー的な人物が出てはこない。

 出てきたときに主人公がどう振る舞うかにも興味はあるが、今のところヒトラーがいないことで、「仕事」としての戦争、戦闘行為にも、かろうじてつきあえるとも言える。「合理的」を標榜しながら、案外生真面目な主人公に安心していられる。


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