『バトル・ロワイヤル』に熱中した頃、これがスティーブン・キングのデビュー作『死のロングウォーク』に着想を得たという話を聞いて、読みたいと思いつつも手をつけずにいた。それが映画化されたと聞いて、これも観たいと思っているうちに劇場公開が終わって、あっというまにアマプラで配信が始まった。
ひたすら歩くだけだから『バトル・ロワイヤル』のような屈曲はない。それでも、この設定で起こりうるドラマを詰め込んでいる。死の描写にもごまかしがない。俗悪なグロを狙っているのではなく、ちゃんと痛みを感じさせる。
『バトル・ロワイヤル』もそうだが、生き残れるのが一人という設定は、仲間を作ることと矛盾する。ただしこちらは故意に他の参加者を害してはならないから、すぐさま殺し合いが起こるわけではないが、他者の脱落こそが自らの勝利なのだから、「仲間」は存在しないはずだ。
だが両者ともにそうではない。『バトル・ロワイヤル』では体制に対する反逆の可能性にすがって、仲間を作ろうとする参加者が現れる。死に直面した状況の中で、残酷な裏切りと、それでも生まれる絆か美しいのが『バトル・ロワイヤル』だった。
一方の本作では脱落するのは本人の責任だから、一人一人の参加者は心おきなく励まし合える。それだけの自信と矜持のある者は。
だから、設定のもたらす残酷さの中で、強い意志とヒューマニズムが素直に描かれる物語だった。
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