『エイリアン』シリーズに決着をつけようと、これと『コヴェナント』は見るつもりではいる。が、見放題終了のタイミングに後押しされてようやく。
元祖リドリー・スコット監督作で、映像美は文句ない大作だったが、ストーリーのあちこちに納得できず、なんなんだ、これはというのが視聴後感。
人類を作った宇宙人がいるらしいことがわかって、そこに会いに行きたいと思う動機がまずわからない。宇宙船団のオーナーの老人は死を逃れる術を教わろうとしているかのように描かれているが、それがどうして果たされると期待しているのかまるでわからない。会いに行って会えてしまう展開もご都合主義にもほどがあると思うが、よしんば会えたとして、どうしてヘルメットを取って歩み寄って良いと思えるのか。
老人ばかりか、科学者であるところの乗組員たちも、有害なものが大気にないとセンサーが言っていても、すぐにヘルメットをとるのが自然な行動のわけがない。センサーに検出されない未知の有害物質がある可能性を考えないはずはないではないか。
宇宙人は、目覚めた途端に人間を襲う。
エイリアンはもちろん人間を襲う。だがその前に寄生された人間が人間を襲う。「危険」を増やせばサスペンスが増えるというものではない。エイリアンの存在意義がわからない。
アンドロイドは実験のためだかなんだか、人間にエイリアンの卵を飲ませ、それが案の定の展開になるのだが、そのわりに最後にはその被害者のパートナーであるところのヒロインを助ける。
みんな、行動原理がわからなくて、話にのれない。