とりあえず、そんなに長くないホラー映画を、という感じなのだが、とりあえず、というにふさわしい出来だった。
ジェームズ・ワン制作というのがもうすっかり『死霊館』シリーズの劣化版という感じだった。邦題もそれをあてこんでいるのは明らか。
作品としては悪くない。ひどい邦画のように、観ていて腹が立つようなことはない。
だがまあ感心もない。
ついでにいうと、原題の『Demonic』に示されているように、敵が悪魔というのはあまり日本的ではないのだろう。映画としては優れていると思いながら『ヘレデタリー』のラストに満足しきれなかったのもそこだった。なんとなく最後に悪魔が出てくると白ける。日本人としては。『死霊館』の「死霊」も、なんとなく悪魔っぽい。