『スキップとローファー』
「カナリアたちの舟」を古本屋で見つけて読んだ時の衝撃はかなり強い部類だったが、作者高松美咲は連載中の青春マンガが人気を博しているという。雑誌の方をチェックしていないから知らなかったが、未読のうちにアニメ化された。
これがまあ毎回実に楽しく、心揺さぶられるエピソードが盛り込まれている。そしてそれが丁寧にアニメとして描かれている。黒沢ともよが、主人公の無垢でしぶといキャラクターを体現していて、この先、原作を読むときもこの声を思い浮かべるだろうことは必至。
『山田君とLv999の恋をする』
監督の浅香守生は『カードキャプチャーさくら』よりも『GUNSLINGER GIRL』一期の監督として記憶されている。原作もそれなりに面白いに違いないが、アニメはアニメで制作会社と監督がそれなりの仕事をしなければ面白くはならない。そういう意味でこれは良い仕事をしている。
エンディングで、主人公が一歩踏み出す動作の挙動不審ぶりがリアルで、そのアニメーションの見事さに毎回感心していた。ロトスコープでもなさそうなのだが。
『天国大魔境』
原作は単行本でちょっとかじったくらいで、まだ魅力を把握していないのだが、先にアニメに触れた。いやはや今クール最高。
謎がやたらと提示されていくのは『エヴァンゲリオン』にしろ『20世紀少年』にしろ、大丈夫か、という不安はあるが、ともかくも細部の描写が的確なのは信用できる。
『鬼滅の刃 鍛冶の里編』
結局最初のシリーズから全部見ている。CGを駆使したアニメのレベルは全体として上がっているように思う。スタジオの資金が潤沢になっているせいか。
が、結局『無限列車編』を超えない。やはりあれは煉獄のキャラクターの魅力だった。
それ以外には、現在展開されている戦いの最中に、それぞれの登場人物の背景エピソードを一度描いてからまた続けるというパターンなのだが、このエピソードのバリエーションがやはりパターン化してしまうのだった。
『推しの子』
初回スペシャルが1時間半枠とか、なんかやたらと推されているなあと思っていたら、なるほど面白い。最初のうちは先の展開が気になるという感じだったし、主人公の裏工作の巧みさに感心したりもしたが、この物語の最大の推進力は、結局は何かを(誰かを)「推す」こと自体にあるのかもしれない。その一途さが物語を追う者の心を揺さぶっている。
『異世界でチート能力を手にした俺は、現実世界をも無双する』
あまりに好都合にことが展開する「転生」+「俺つええ」系の典型的な物語だと思いつつ、その開き直ったやり過ぎ感を楽しみにするつもりになると1クールくらいはすぐに見てしまえる。伏線だとか感情の機微などを追う必要がないと観るハードルが下がって、録画が溜まらない。
『地獄楽』
最初のうちは作画的にも観る価値があったが、そのうちそこは並のアニメになっていった。孤島にある『極楽』の設定の行方が気になって見続けたが、最後の方は何だか無理矢理のインフレになっていったのは残念。
『デッドマウント・デスプレイ』
成田良悟の原作だというので録画はしてあるが溜めたまま。