続編を観たのが9年前か。その時の調べ物で第1作は面白いという評判だったので、ようやく。
なるほどルトガー・ハウアーの存在感がすべてだ。それ抜きには魅力のほとんどが消える。ヘリコプターを使ったチェイスとクラッシュは予想外に大がかりで感嘆したが、それを求めて観たいと思うわけでもない。やはりじわじわと追い詰められる恐怖を味わうのが期待される正しい楽しみ方のはずだ。といって、ブギーマンのようにまったく「機械」的に迫ってこられてもルーティン化してしまう。そこにルトガー・ハウアーの不敵な笑みがあると、感情が揺さぶられるというものだ。
とはいえ本作のストーカー的な殺人鬼がどのような行動原理に従っているのかはよくわからない。ロードムービー的な舞台設定が『激突』に似ているとも思ったが、あれは過剰とはいえ仕返し、逆ギレといった原理があった。その予想にしたがって対処しつつ、それを裏切られるところに意外性があったりもした。ところがこちらのヒッチャーはどうもわからない。何がしたいんだ。どんどん人を殺しつつ、殺されたがっているようでもある。だがなぜその相手が主人公なのかはわからない。
ターミネーターのようにしつこい相手を、最後にようやく倒すラストに素直に拍手喝采を送ればいい映画なのだろうと思いつつ、理に落ちるというカタルシスはいまいち。
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