賊の侵入によって囚われの身となる婦人を描くという、設定だけはまるで『アウトブレイク』のサスペンス映画。原因が夫で、妻が美人で、子供が1人、3人一緒に巻き込まれてしまうあたりもまるでそっくり。
題名の「セルラー」というのが携帯電話を意味するらしいことは、その頃、携帯に縁の無かった身にもなんとなくわかる。携帯電話でたまたまつながった若者に助けを求め、電話でやりとりしながら救出の方策を探るあたりは、家族だけで犯人グループと対峙する『アウトブレイク』に比べて広がりが生まれる設定だ。
ただ、その設定のせいで前半はやや、やり過ぎの感が否めない。肝心の若者の人物造形が不愉快に軽すぎるのも残念。
だが中年の警官が事件に巻き込まれて、結局大活躍したり、全体に起伏の大きく複雑な展開をコンパクトに収めている脚本は、実に良くできていると感じた。
というわけで『アウトブレイク』のような不満はなく、むしろ面白かったといっていい。『パニック・フライト』ほどに手放しで絶賛といかないのは前半の問題だな。
演出も手慣れたもので、安心して観られる。監督の デイヴィッド・R・エリスというのは、『ファイナル・ディスティネーション』シリーズを2本監督している人なのか。
ジェイソン・ステイサムが悪役だったのだが、やはり肉体派なのは変わらない。無名時代かと思いきや『トランスポーター』シリーズの一作目よりは後の作品なのだった。
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