2017年9月28日木曜日

『Unknown』-DVDの再生不良で

 オススメのソリッド・シチュエーション・スリラー映画とかなんとかいうサイトで紹介されている映画をTSUTAYAで探して。
 『Unknown』という題名の映画は二本あり、そういえばリーアム・ニーソンの方は観たことがあるのだった。あれっ? ここ3年のうちではないのか? そんなに昔ではない気がするのだが。

 さて、大作のあちらと違って、こちらはSSSだから金はかかっていない。
 …はずなのだが、始まって早々に閉鎖空間以外の展開が並行して描かれ、思いの外、金がかかっているじゃないかと思い直される(ま、といってやはり大作ではない)。
 この、SSSなのにそれ以外の展開が挿入されるパターンは『Saw』だし『パーフェクト・ホスト-悪夢の晩餐会-』だし(同じプロデューサーなのだっけ)。
 これは基本的に物語を立体的にする、良い構成だ。
 加えて今作は、閉じ込められた5人が皆、薬品の影響で記憶を失っており、徐々によみがえる記憶がフラッシュ・バックすることで、さらに立体感を増す。

 なかなかよくできていると思いながら見ていると、最後の15分くらいでDVDの再生が不良となり、よくわからないうちに終わってしまった。
 なんてことだ!

 観ていて、物語を面白くする上で、こうした方がいいだろうな、というアイデアが二つ、ただちに思いつく。
 記憶が戻るにつれて、ただ真相が明らかになっていく、というだけはつまらない。観客に対して、こういう物語なのだろうという「真相」をミスリードしておいて、それをひっくり返す、いわゆるどんでん返しはぜひ必要。『メメント』とか『マニシスト』がそうだったっけ。
 今作でも、どんでん返しは仕掛けられていたらしいが、どうなんだろ。どの程度の仕掛けだったものやら、
 もう一つは、記憶を失っている状態でとりあえず助け合って脱出しようとしているうちに生まれた、いわば「ストックホルム症候群」のような仲間意識が、記憶が戻ってからの現実と齟齬を起こしつつ、現実の方を凌駕する、というような展開があるといいなあ。
 観客にとっては映画が始まってからが世界の始まりだから、彼らは「仲間」なのだ。「仲間」になったのだ。それが「真相」をひっくり返す、というような構造には快感がありそうだ。
 今作がそうなっていたのかどうかも、やっぱり未確認なのだった。
 残念。

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