2020年1月6日月曜日

『スノーピアサー』-全体に「噛み合わない」

 ということで続けてポン・ジュノ。
 だがアメリカ、フランス合作ということで、韓国映画らしからぬSF。始まってしばらく、おなじみのソン・ガンホが出てくるまでは欧米人しか出てこないので、『殺人の追憶』とは随分感触が違う。ティルダ・スウィントンとかエド・ハリスとかいうハリウッド大物が出てくる。
 こちらのソン・ガンホは『グエムル』や『殺人の追憶』のさえない中年男という役どころと違って、長い蓬髪に髭をたくわえ、「なにやらひとくせありそうな」技術屋で、立ち回りもしてみせる。
 だがこの、もってまわったキャラクターを描くために、ソン・ガンホに限らず、登場人物達の言動を不自然に描きすぎている。例えば、普通に返事をしない、などという言動で「なにやらありげ」を表現しようとしているところあたりが、もはやあざとく感じられる。
 そもそも人類滅亡後の特急列車の中の階級闘争を描くというこの映画の設定が狂っているから、こうした描き方はしょうがないのだろうか。
 この設定が面白いのだと考えるのは、観念的にはわかる。だが結局、スケールの小ささばかりが目立つ。もちろんそれでも濃密な人間ドラマを描くことはできるだろうが、どうも全体に「噛み合わない」感触ばかりが残った。

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