映画館の予告で気になっていたフレンチミステリー。
ベストセラーの続編を各国同時に発売するためにそれぞれの言語の翻訳家を集め、監禁して翻訳させるが、なぜかネットに流出して…という展開は魅力的。そこにとてもよくできたどんでん返しが用意されたミステリー映画ではある。
テイストはハリウッドだが、妙に深刻な感情の発露が描かれるのはフランス映画ならではなのだろうか。それがどうもノイズになって楽しめない。
例えば、流出を阻むために次第に無茶なことをし始める出版社長についていけない。損害を避けるためとはいえ人殺しまでしてしまって、それをどう隠すのかよくわからない。
そこにさらに登場人物の一人の「創作者としての悩み」が深刻に描かれるのだが、それが事件の展開そのものにかかわる。
そうした感情の深刻さが、コン・ゲーム的なミステリーの味わいとは馴染みがたく、どうもそのバランスについていけない。
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