2022年12月7日水曜日

『ファイナル・アワーズ』-それなりに大作で佳作

 終末物。題名もそのまま終末。

 彗星が地球に衝突して人類が滅亡するまでの数時間、というのだから『エンド・オブ・ザ・ワールド』を連想するのは当然だが、まあタッチは全然違う。

 終末の絶望に恋人の前から立ち去って、現実逃避的・狂騒的で絶望的なパーティー会場へ向かう主人公は、最初のうちは不快な人物として描かれる。それが道中、たまたま少女を悪漢から救って、彼女を父親に会わせるという目的を得てからそれなりに共感もできるようになる。

 基本的には終末に向かうだけで、事態が好転する要素はない。会いに行った相手が死んでいたり、別れるしかなかったり。最後に恋人の元に戻るが、一緒に終末を迎えることに救いを感じられるわけでもない。

 全体には、意外と安っぽいところのないしっかりした映画ではあった。

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