ナタリー・ポートマン演じる弁護士が略奪愛によって事務所の先輩弁護士の後妻に収まるところから、継子とともに新しい家族を作り上げられるのかが問われる。
映画に安っぽいところはない。こうした人間関係を描くドラマとしては、エピソードの置き方にしろ人物の描き方にしろ、充分にうまい、といっていい。
継子との間に生まれる連帯や父親との和解、乳児を死なせてしまったという罪悪感から救われる過程や、その際に元妻が見せる誠実さとか、物語的カタルシスを感ずる展開はある。
それでも結局面白かったかと言えばそうではない。結婚生活は結局破綻する。上手くいかない現実の苦さを誠実に描いているのはわかるが、観客としては、基本的にはうまくいくことを描いてほしい。
うまくいかないことのやむを得なさをぎりぎりで描くことに、観る者ともども巻き込まれてしまうような映画体験なら、それもまた良いのかもしれない。
だが、いかに本当らしく描かれていても、まあそういうふうにうまくいかないことはあるだろうという、いわばアッサリと思わざるをえない感じはなんだか残念なのだ。
ところで、子役のチャーリー・ターハンは、『ウェイワード・パインズ』で中学生くらいになって主要登場人物として、なんだか妙に好感の持てる役者になっていた。
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