2018年6月30日土曜日

『ザ・ファイター』-アメリカ人にとっての愛着

 クリスチャン・ベイルの役作りのことが最初から喧伝されているが、主役はマーク・ウォールバーグなのだった。マーク・ウォールバーグだって役作りについては定評があるだろうに、やっぱりこの映画については役そのものがそれほど特徴的ではないから、アカデミー賞はクリスチャン・ベイルの助演にもっていかれたのもむべなるかな。
 貧しい地域出身のボクサーの実話に基づいているというのだが、それにしてもアカデミー作品賞にもノミネートなのか。ここはアメリカの映画祭であることの特徴かもしれない。悪い映画ではないが、出色の出来というわけでもないと思うのだが。
 移民のルーツを濃厚に残している地域や家族の成功譚というのがアメリカ国民にとってどういうものなのか、こういう作品への評価からうかがえる。『リトルダンサー』もそうだったが、ボクシング映画ということでは、どうしても『ロッキー』を連想してしまうのもいわれのないことではない。

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