2018年7月2日月曜日

『ドラえもん のび太の南極カチコチ大冒険』-クトゥルフ神話よりジブリパクリ

 岡田斗司夫が「まるでクトゥルフ神話だ」と言っていたのを聞いて、観てみる気に。声優陣が交代してからの「ドラえもん」は、テレビにしろ劇場版にしろ、通して観た作品は初めて。
 だがどうにも駄目だった。そもそもがラブクラフトに何の思い入れもないし、クトゥルフ神話の元ネタも知らないしで、そこで楽しめるということなしに観るしかないのだが、かつての劇場版(いわゆる「大長編ドラえもん」)がどれも子供向けにしては驚くべき完成度だったのに比べて、まるで子供だましにしか感じられなかった。
 クトゥルフ神話はともかく、一応はタイムトラベルをからめた伏線を張っておいて回収するという、「大長編」の骨格を備えているのだが、それがSF心をくすぐるようなしかけにちっともなっていないのはどういうわけだか、分析するほど真面目に観ていないのだが、ともかくもがっかり。
 ゲストのヒロインとの感情的な交流もそれほどないし、レギュラーメンバーの胸躍る活躍もない。
 どう楽しめばいいかわからないのは大人だからだと言えばそれまでだが、旧シリーズを観たのだって大人になってからだったことを思えば、作り手の怠慢だと思うのだが。

 それにしてもクトゥルフ神話は隠す気もないのだろうが、ジブリ過ぎるのはどうなのか。異星人の巨大兵器(?)「ブリザーガ」はまるで『ナウシカ』の巨神兵であり『ラピュタ』のロボット兵であり『もののけ姫』のシシ神様の変身したダイダラボッチだったが、こちらはリスペクトですと言い張るほどあからさまでないぶん、中途半端なパクリ感、偽物感が半端でない。

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