評判の高い映画だったから、素直に絶賛できない。だがもちろんいい映画だった。主人公の父親につられて泣きそうになった。
だがどうしても『シャイン』と比べてしまうのだった。貧しい労働者の家庭の子供が、天与の資質を見いだされてバレエと音楽のそれぞれの道に進んでいく物語だ。時として父が障害となり、オーディションやコンクールでの評価に怯え、やがて栄光を手にする物語。
だが『シャイン』に見られる父と子の葛藤や、破滅的にそれに引きつけられていくすさまじさは、『リトルダンサー』にはなかった。どちらも描かれているというのに。
ミュージカル映画としてのダンスシーンも、主人公の茶目っ気のある少年のキャラクターもすこぶるいい。『シャイン』の影に脅かされさえしなければ。
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