2019年10月14日月曜日

『トーナメント(原題「Midnighters」)』-小品として満足

 TSUTAYAの棚で予備知識なしにパッケージの紹介だけで選ぶ。どうもSSSらしいのと、どこやらの小さな映画祭であれこれ受賞しているらしいのと、監督が「ウォーキングデッド」の監督だというので決める。
 さて、やはり低予算で作られている感じはありありだが、悪くない。必要なサスペンスは盛り込まれているし、許しがたいような不自然な登場人物の行動や演出はない。何よりラストのドンデン返しが見事で、こういう小品としては満足のいく鑑賞後感だった。
 それにしても毎度、邦題なのに英語という謎の販売戦略。ネットでも「どこがトーナメント」だというつっこみと、パッケージが内容とまるで違うという突っ込みが満載だが、まあ作品が良ければいいんじゃない? 邦題も、終わりまで見ると、ぎりぎり『トーナメント』とつけたくなった思考はわからないでもない。
 ところで結局わからないままの場面が二つあったのが気になった。

・主人公の夫が、死体の歯をハンマーで欠いて取り出す
・ロッジで荷物の受け取りを待っている間に、ロッジの前に自動車が意味ありげに止まる

 回収しきれなかった伏線だろうか。それなら編集の段階でカットしてもいいんだろうし。そうするとこちらが読み取れてないだけか。それはそれで許せない気もするし。

 ところで、「ウォーキング・デッド」の監督だという件は調べてみると意外なことがわかった。どうせ各話監督が違うんだから、フランク・ダラボン以外は知らないうえにどの人も立派な仕事をしている、というくらいにしかわからないのだが、本作の監督ジュリアス・ラムゼイが監督しているのは、シーズン4の12話「本気の杯(「Still」)」という、とりわけ好きで、観直してさえいるというエピソードだった。
 このエピソードに敬意を払うということで本作を観る価値は充分にあったのだった。

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