原作は当時話題だったし監督はサム・ライミだし、見とこうと思って機会がなかった。
事態が悪化の一途を辿る展開は決して気持ちの良いものではない。むしろ嫌な気持ちがするといっていい。だからこそ、かろうじて、最悪の結末の一歩手前で決着した結末に、いくぶんホッとしたりもして。
もちろんだからといってハッピーエンドなどではありえない苦い結末の、主人公のアップが、それはそれで映画としては味わい深いともいえる。
それよりアメリカ映画を観ていると、その生活感覚のずれ方がなんだか不思議だ。あのデカい家に住むのが当たり前で、日本人からすると普通の生活をしているように見えるのに、それでは不満だと感じている。犯罪に踏み込んででも、偶然に手にしたその金を自分のものにしたいという欲求が、日本人にはピンと来ない。
あれは、「アメリカン・ドリーム」が基準になって「成功」がイメージされているからこその裏返しの悲劇なんだろうと思う。
それにしても「死霊のはらわた」とも「スパイダーマン」とも全く違うサム・ライミの、真っ当な映画監督としての才能に納得させられる佳作ではある。
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