2015年8月7日金曜日

『エイリアンズVS.プレデター2』

 『エイリアン』シリーズも『プレデター』シリーズも全部観ていて、『エイリアンvsプレデター』も面白かったから、観ない理由はないんだが、観始めるとなんだか見覚えがある。この感じが怪しい。既視感のある場面もありつつ、まるで記憶のない場面が大半という、このパターンは時々あるな。つまり観てはいるが、どうでもいい映画だったというケースだ。
 錚々たる監督の並ぶ『エイリアン』『プレデター』本家シリーズはどれもエンターテイメントとしてよくできた映画ばかりである。『エイリアンvsプレデター』も、『バイオハザード』シリーズのポール・W・S・アンダーソンらしい隙のない物語運びだった。
 何も南極にプレデターの遺跡があるとか、『プレデターズ』のようにどこぞの惑星を舞台にするとかいう大がかりな物語設定にしなければ面白くないというわけではない。地球の、我々のいる街に舞台を置くのはむしろ予算をかけないで良い映画を作ろうという志さえあれば悪くない選択だ。
 そうであればこそ、とにかくも脚本と演出の勝負ではないか。この日常に化け物を放り込んで起こりうる小さなドラマを積み重ねてサスペンスを盛り上げるか、そうでなければやはり物量作戦のロケと特殊撮影だ。どちらも中途半端な本作は、やはりたぶん観たことがありながらもその程度の印象しかない凡作だった。

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