ジョン・トラボルタとサミュエル・L・ジャクソンというのだから安い映画ではなかろうと観始めた。軍の訓練を舞台にしてはいるが、戦争物ではなく、サスペンスというか、結論を言えばミステリーだった。
いやあ、面白かった。ネットで評価の低い人の言うように、確かにアメリカ人の顔と名前が覚えられなくて話がわかりにくい。が、幸いにも録画して、しかも途中で何度も確認して先へ進めたので、二転三転する真相が明らかにされていく展開の前の段階で、ある程度の人物関係を把握できた。だから、この映画の肝であるどんでん返しは充分に楽しめた。どうもミステリーらしいという情報を先に得ていたのは、この際、ラッキーだった。事件が把握できないまま結論だけ知ってしまったら残念な印象に終わってしまったかもしれない。
『戦火の勇気』も、戦場を舞台にした、いわゆる「藪の中」もの(関係者の証言が食い違っているから真相が確定されない、という)だった。もちろんあれも面白かったが、『閉ざされた森』はそれ以上だった。結末前のカーニバルを背景としたシークエンスの迷宮感と、大どんでん返しの最終結末が明らかになる時の快感が見事だった。しかもありがたいハッピーエンド!
もしかしたら、よく考えれば『ツーリスト』同様の矛盾がどこかにあるのかもしれないが、それも次回観る時に探してみようという気になるくらいには大満足だった。誰の作品だ? と思ったらジョン・マクティアナンじゃないか! 『ダイ・ハード』はオールタイム・ベスト10作品だ。『プレデター』の1作目もそうなのか。おまけに脚本のジェームズ・ヴァンダービルトって人は『ゾディアック』(デビッド・フィンチャー監督)の制作と脚本も手がけている。こちらが知らなかっただけで、最初から期待してもいい作り手の作品なのだった。
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