『その男 ヴァン・ダム』で突如好意的な印象を抱いたジャン・クロード・ヴァン・ダムの映画。香港マフィアに妻を殺されたフレンチ(?)マフィアの用心棒、ヴァン・ダムが復讐する、という、ただそれだけの映画。
ストーリーは「ただそれだけ」だし、そのわりにあちこち意味もなく説明不足でわからないところもあり、お話しとしてはどうにもならないが、そのお粗末さと不釣り合いに画は意識的に撮られていた。暗い画面が、一応の映画内世界を現出させていた。カット割りもスタイリッシュだった。ヴァン・ダムはシブく撮られていた。
カー・アクションにバイク・アクション、ガン・アクションに、(これなくしてはヴァン・ダム映画たりえない)カラテ・アクション。それぞれに質は高い。
充分ではないか? こういうのを求めるなら。
妻を殺された男の嘆きが名演だというネット評は認める。拷問シーンのエグさも話題だ。だがまあ、そういうのを求めているわけじゃないしなあ、という感じではある。ヴァン・ダムに好意的にはなったが、ファンというわけではないのだった。
アクション映画として求むらくは、手に汗握る、スピード感のある、ドライブ感のある、爽快な展開とカタルシスかなあ。そういう方面に手をかけようという気はなさそうな映画ではある。そこが一番、金も手間もかからないはずなのに。
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