2019年8月14日水曜日

『残穢』-小説的ホラー?

 夏の夜にジャパニーズ・ホラーを。この後、一晩で3本観ることになる、最初の1本。
 だが観始めてすぐに、「不気味な黒い影」のCGがちゃちいのにいやな予感が。なぜ? キャストからしてそこそこメジャーな映画じゃないのか、これ?
 題名からわかるとおり、呪い(死の穢れ)が残っているっている話なんだろうと思っていると、そのとおりだ。呪いの連鎖と言えば「リング」と「呪怨」だ。そしてこれは貞子と伽椰子の出てこない「リング」「呪怨」なのだった。では何が恐いというのか。恐くない。関係者が次々と死んだと知らされるのが不気味ではある。が、主要な人物は死にそうもないし、やっぱり死なない。恐くない。
 そしてクライマックスに至っても、冒頭のちゃちいCGの黒い影と、顔に墨を塗った人間が「怨霊」なのである(炭鉱の事故で死んでいるので)。ふざけているのか?
 ということで一体何を目指して作られたのかわからない映画だったが、原作は小野不由美の山本周五郎賞作品なのだった。評価を見る限り、これは面白い小説なのだろう。ということは、この、小説としての面白さを映画で醸し出すことに失敗しているのか、こっちが映画的ホラーを求めていたのが間違いだったのか。「ドキュメンタリー・ホラー」とか言ってるからなあ。

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