2019年8月28日水曜日

この1年に観た映画-2018-2019

 夏の終わりに恒例の「この一年に観た映画」は以下の通り。

8/14『Identity』-名作サスペンス
8/14『ジェーン・ドゥの解剖』-あの結末は予想外ではある
8/14『残穢』-小説的ホラー?
8/13『マイマイ新子と千年の魔法』-丁寧に丁寧に
8/13『The Visit』-夏の夜の楽しいひととき
7/24『未来のミライ』-期待の細田作品(逆の意味で)
7/24『聲の形』-追悼ではないが
7/18『サマータイムマシンブルース』-映画版が増幅している魅力はほぼない
7/15『祈りの幕が下りるとき』-物語の重みにノれない
6/30『リップヴァンウィンクルの花嫁』-映像と人物造型、そして物語
6/16『キングコング:髑髏島の巨神』-怪獣映画のバランスの悪さ
6/10『関ヶ原』-ドラマとして見られない
6/4『ミックス』-古沢良太はどこへ行くのか
5/24『ルーム』-幼児期への訣別と郷愁
5/19『ラルジャン』-ついていけない
5/19『グリーンブック』-ヒューマン・ドラマとして堂々たるエンターテイ
5/18『ハドソン川の奇跡』-期待通りであることのすごさ
5/18『ホットロード』-残念な映画化
5/9『蛇の道』-映画的面白さはあるが
5/7『蜘蛛の瞳』-結局妄想なのか?
5/5『君よ憤怒の河を渉れ』-またしても謎のトンデモ映画
5/5『稀人』-頭でっかちの観念映画
4/28『死霊館 エンフィールド事件』-これは凡作
4/21『Eight Days A Week』-今更ながら
4/20『インフェルノ』-申し分のない娯楽映画なのに
4/19『夜は短し歩けよ乙女』-安心の湯浅クオリティ
4/17『お米とおっぱい』-低予算だから腹も立たない
4/7『12か月の未来図』-楽しく幸せな教育映画
3/20『GAMBA ガンバと仲間たち』-ここには何もない
3/18『SING』-そつのないエンターテイメント
3/10『ハード・ソルジャー 炎の奪還』-B級そのもの
3/2『突入せよ あさま山荘事件』-安定した映画職人の仕事
3/1『大空港』-堂々たるハリウッド・エンターテイメント
2/24『トランス・ワールド』-SSS低予算映画の佳品
2/14『エクスペンダブルズ3』-まずまず
2/11『ロング・グッドバイ』-楽しみ方がわからない
2/10『ブラッド・ワーク』-意外と真っ当なミステリー
1/14『ディストピア パンドラの少女』-こういうゾンビ映画を観たい
1/10『リセット』-あまりに期待外れ
1/4『アルティメット』-気楽な映画鑑賞
12/30『チョコレート・ドーナツ』-感動作であることは間違いないが
12/26『モンスターズ 新種襲来』-誠実だが図式的
12/22『ラスト3デイズ 彼女のために』-うまいが腑に落ちない
12/18『CODA』-可もなく不可もなく淡々
12/16『シン・ゴジラ』-シミュレーション・ドラマとしての怪獣映画
12/14『アンフェア The End』-シリーズ物なので
11/24『ボヘミアン・ラプソディ』-劇場でこそ観る価値あり
11/11『LOOPER』-満足
11/3『Jellyfish』-苦苦な青春映画
10/25『湯を沸かすほどの熱い愛』-うまい映画だが誇大広告
10/25『ダーク・シティ』-迷宮のような夜の街の手触り
10/12『三度目の殺人』
9/30『メアリと魔法の花』-っぽい情緒だけが描かれる
9/28『ブルー・ジャスミン』-彼女に同情できるか
9/22『スターリングラード』-精緻に戦闘を描く情熱とは
9/16『10クローバーフィールド・レーン』-「精神的兄弟」ねえ…
9/12『アイ・アム・ア・ヒーロー』-国産ゾンビ映画の健闘
9/11『ディストラクション・ベイビーズ』-「狂気」を描くことの不可能性
9/3『アリスのままで』-分裂する「自分」
9/3『君の膵臓を食べたい』-いやおうなく

 上から古い順に並べれば良かった。が、面倒なので直さない。
 昨年からここまでに観た映画は60本。不本意ではある。録画したのが溜まっていく。ブログに感想を書こうという自らに課した務めが、次の映画を見始めるのを阻んでいるところもある。感想も、大抵は1か月後とかになっている。
 とまれ、その中から10本を選んでみた。

7/24『聲の形』-追悼ではないが
6/30『リップヴァンウィンクルの花嫁』-映像と人物造型、そして物語
5/24『ルーム』-幼児期への訣別と郷愁
5/19『グリーンブック』-ヒューマン・ドラマとして堂々たる
4/7『12か月の未来図』-楽しく幸せな教育映画
3/1『大空港』-堂々たるハリウッド・エンターテイメント
11/3『Jellyfish』-苦苦な青春映画
10/12『三度目の殺人』
9/28『ブルー・ジャスミン』-彼女に同情できるか
9/3『アリスのままで』-分裂する「自分」

 『ブルー・ジャスミン』と『アリスのままで』は、アカデミー賞主演女優賞をとった主人公二人の体現する人物像が見事だった。
 『ルーム』もまた主演女優賞だが、こちらは主人公よりも子役の演技があまりに見事だったし、何よりも物語の強さによって印象が強い。
 『Jellyfish』『12か月の未来図』『グリーンブック』の3本はいずれも家族と映画館で観たものだ。やはり映画館で観るという体験が、その体験を特別な物にしているとは言える。その意味では『ボヘミアン・ラプソディ』も悪くなかったが、作品世界への愛着という意味では上記3本を上に置きたい。『ボヘミアン・ラプソディ』『グリーンブック』という、アカデミー賞で数々のノミネートを誇るハリウッド・エンターテイメントに対して、ヨーロッパの小さなプロダクト映画である『Jellyfish』『12か月の未来図』が、同じくらいに強い経験として残っている。
 『大空港』は、隅から隅まで、あまりに見事なハリウッド・エンターテイメントで、これは『グリーンブック』『ボヘミアン・ラプソディ』に比べても圧倒的な量感だった。
 アニメとしては『夜は短し歩けよ乙女』ももちろん良かったが、感動的だったという意味では『聲の形』がやや上だった。これは作品の評価ということではなく、今回の鑑賞に限った、体験としての強さの問題だ。『聲の形』の主人たちのウジウジ加減に比べれば『夜は短し』の主人公の方が遥かに魅力的だし、アニメーションとしてもそれぞれにまったく個性の違った、それぞれに最高級の品質であることから、『聲の形』の方が優れていると言うつもりはない。だから今回について言えば。
 邦画からは、岩井俊二と是枝裕和作品をひとつずつ。二人とも脚本と編集も自分でやる監督として、きわめて作品に対する監督の支配力の強い作品作りをしている。原田眞人の、ほとんどハリウッド映画に匹敵するような、現場が想像できないほど体制として完成された制作と違って、二人はずっと小規模な現場で作業をしている印象だ。だがそこにセンスやら思索やら偶然やらが影響して、なんだかわからない要素の混じった、強い印象を残す作品ができあがっている。『リップヴァンウィンクルの花嫁』『三度目の殺人』どちらも容易には感想が語れなくて、実は『三度目の殺人』は保留にしたままブログに記事さえ書いていない。観直した際に必ず。
 もうひとつ、7月の下旬に『葛城事件』を観たのに、書くのを忘れていたことを、今更ながら思い出した。これは確実にベスト10級だったのだが。

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