2021年11月18日木曜日

『キャビン・イン・ザ・ウッズ』-不思議な不穏な 

 原題は『RESOLUTION』といい、『The Cabin in the Woods』はドリュー・ゴダード監督の『キャビン』の原題だというから紛らわしい。邦題はもちろん『キャビン』をあてこんでいるんだが、こすっからい。といって原題ではわからない上に、そもそも訳しにくい。「決意、決断力、不屈、決議案、分解、分析、解決、解答」どの訳語も映画の内容に即応しているとは言えない。

 さて、何映画なのかわからずに観る。『キャビン』はメタ・ホラーとして笑える部分さえあったが、こちらは、はて、どういうことだと受け止めれば良いのかわからない。明らかに超自然的なことが起こっているらしいからサイコサスペンスではないようだが、といって怖くないからホラーとも言えない。

 意味ありげな「哲学的」会話がくりひろげられてりもするが、それが何を意味しているかもわからず、結末まで観て、原題の適切な訳語も結局わからない。

 何か超自然的な存在が登場人物たちを観ている、ということらしいのだが(その意味では『キャビン』と同じだが、共通性を狙ったものではないはず)、それが何かもわからず、そこまでのストーリーとどういう関係になっているのかもわからず。どうやらその場所に関係しているらしいということだけは辛うじて示されているが。先住民の保護区だという設定は『ブラッド・パンチ』と同じ「土地の呪い」みたいなことだと受け取ればいいのだろうか。


 わからないものの、悪くはなかった。手持ちカメラで始終揺れる画面は、フッテージ物のPOVというわけではないが、なんだだ妙にリアルで、演技も演出も悪くない。何か不穏な、不思議なことが起こっているらしいことは十分に感じられる。

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