2022年7月23日土曜日

『ペリカン文書』-堂々のハリウッドサスペンス

 アラン・j・パクラは『大統領の陰謀』とともに、今年度内での鑑賞。実に安定のハリウッドサスペンスなのだった。

 政治的な犯罪の隠蔽のための謀略で恋人を殺され、自分も命を狙われるジュリア・ロバーツがもう一人の主人公、新聞記者のデンゼル・ワシントンとともに謎を暴く。事件の全貌がわかっていくのとともに、暗殺者からぎりぎりの逃避行を続けるサスペンスが持続する。政治謀略サスペンスとして間然するところがない。

 が、楽しくてしょうがない、というような見方はできなかった。このての謀略ものはサスペンスのために説明をせずに物語を引っ張りすぎて、観客がついていけなくなる。特に甘い日本人の観客には、事件の全貌は複雑すぎてつかみきれない。そうなると、何に感情を動かされれば良いのかが判断しにくいのだ。ああ、そうだったのかぁ、がおこらない。

 それと、恋人を殺されたヒロインが、後半で行動を共にするヒーローといい雰囲気になるのは、物語的には落ち着くべきところに落ち着いてるとも言えるが、何となく軽い感じもする。腑に落ちない。

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