清水崇の「村」シリーズかと勘違いして観始めた。
冒頭の若者グループが田舎に行くくだりはまるで「キャビン」物の定番。それなりにその不快さがリアルに撮れてもいるが不必要に長い。例えばそこに何か伏線を張っておくとかいう知恵を使ったような脚本構成はない(主人公についてだけいくらか意味ありげに描写しているが)。
ホラーを観るつもりで観ているが、オカルトかどうかはわからないで観ていると、「キャビン」物ではなく「村」物だった。「ミッドサマー」的な。
そうなれば脱出の過程が描かれるのだろうと予想していると、なんと突然アクション映画になる。で、最初のうちは目立たなかったが、『最強殺し屋伝説国岡』の役者だよなあと思っていたのが主人公なのだとわかり、あれっと気づく。阪元裕吾の映画なのだった。
であとはそういうアクション映画。『ベイビーわるきゅーれ』はそれなりに手のかかったアクションを見せたが、『国岡』もこれも、リアリティの水準が低く、そこで楽しむには難しい。例えば言い打撃が入るとそれで一気に形勢が決まってしまうことになるので、そういう打撃を安易に描いてはならない。描かれる格闘が軽く感じられてしまう。
だがこれが意外な高評価なのだ。清水崇の他の「村」シリーズより(だから観てみたのだ)。レビューを見ると、なるほどみんなわかっていて、突っ込みながら見ることが楽しいと言っているのだ。その突っ込みどころに不快をより多く感じてしまう人は低評価をする。どちらもそれなりにわかる。
細かいところがあまりに考えなしに作られているのは、せっかく映画という大がかりな制作物を世に出すにあたってはもったいなあと思う。
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