2025年5月17日土曜日

『ラストシーン』-エンタテインメント

 「全編 iPhone 16 Pro で撮影が行われた」が全面に出ているが、是枝監督作でなければ観る気は起こらなかった。スマホだけで撮影したといえば三池崇史もあったはずだし、去年のNHK杯のテレビドラマ部門の準優勝作品も全編スマホ撮影だった。これがスマホだけで、かあ、すげえなあとは思うものの、面白くなければそれ以上にどうでもない。

 面白かった。タイムトラベルなどというベタな設定を持ち込んで展開するストーリーは、そつなくテンポ良く見せるし、仲野太賀のうまさはもちろん、福地桃子の可愛らしさも魅力的で、エンタテインメントとしての短編映画として見事な完成度だ。タイムトラベルなんて持ち込んで、パラドクスはどうするつもりなんだろうと思っていると、なるほどシンプルに「消える」という解決か。その切なさがベタベタしないバランスで描かれているのもさすが。未来にそれを補償するエピソードを入れるのはやりすぎだと思ったが。

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