2015年5月20日水曜日

『ファミリー・ツリー』(原題:The Descendants)

 例によって、勝手に録画する設定を解除する方法がわからないままに録画されていた映画。放送の冒頭でジョージ・クルーニーが主演ということを知った以外になんの予備知識も無しに観始めたが、結局一気に観てしまった。が、このパターンは、主演のジョージ・クルーニーも合わせて『マイレージ、マイライフ』(原題:「Up in the Air」)だぞ、と思っていると、はたして映画もその通りなのであった。『デストロ246』の女子高生の言うところの「『家族の絆』みたいなのにオチつくのばっかじゃん!」。
 そしてまた、それがアメリカでは恐ろしく高評価だったというのも、観終わってから調べてみてびっくり。アカデミー賞の作品賞ノミネート!? 脚色賞受賞!?
 いや、良い映画だとは思った。観始めてすぐに先を観たいと思わせ、そのまま最後までひっぱって、なおかつ感動させてくれた。うまく作ってある。
 だが件の女子高生の言うとおりである。結局そういうことね、という以上のものはないのである。言ってしまえば、あまりうまくいっていない家族が、そのメンバーの死を契機に絆をとりもどす、という映画。そこに先祖伝来の土地を売るかどうかという問題をからめて、「家族」を「一族」に拡大する。やっぱり売らないことにする、とか、扱いのわからなかった娘達ともうまくいくようになるとかいった主人公をめぐる事態の好転もあまりに予定調和だが、まあ不調和を求めているわけでもないから、それはそれで不満があるわけではない。
 ただ、凄い物を観た、という感じにはならないだけ。良い物をみた、という感じではある。

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