2015年5月4日月曜日

『パーフェクト・ホスト-悪夢の晩餐会-』

 「『Saw』シリーズのプロデューサーが仕掛ける」という惹句につられて。
 「ソリッド・シチュエーション・スリラー」という言い方も『Saw』か『CUBE』以降、一般的になったが、もともとそういう、金のかからない、アイデアと脚本の練り込み勝負のお話が好きなのだ。邦画のフェイバリット、ベスト3の『12人の優しい日本人』『キサラギ』もスリラーかどうかはともかく、「閉鎖された室内」ものだ。
 どんでん返しの続く展開の意外性は見事だったし、演出も手堅い。主演のデヴィッド・ハイド・ピアースの怪演も素晴らしい。ネットでも皆が触れる、テーブルに飛び乗ってのダンスは娘と繰り返し観て笑った。
 それに比べて室内から外へ出てのラストの展開は評判が悪いようだが、それも悪い印象ではなかった。室内も屋外もどちらも実にうまく描かれ、そうなれば、その落差が映画を立体的にする。途中に挿入される前日譚シーンと警察署内のシーンから既に、単なるサイコ物ではないんだな、と思えて好印象だったのだ。
 そうなれば最後まで「意外な展開」ということで評価できる。
 ちょっとした拾い物、という感じで観終えることのできた佳作だった。

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