2019年3月2日土曜日

『大空港』-堂々たるハリウッド・エンターテイメント

 有名なシリーズの第一作ということで放送されたのを機に。雪で機能不全に陥りかけた空港で起こるさまざまなトラブルに対応する空港長や旅客機機長や航空会社社長やスタッフの活躍を描く。
 始まってすぐ、これはまた見事なハリウッド映画だと感心しきり。数多くの登場人物が人物がそれぞれに抱えるドラマをわずかな断片で見せながら、それらをストーリーの中に組み込んでいく。脚本が巧みなら、演出と編集も映画的な技術の粋を極めた観がある。斬新というのではなく、映画的見せ方の手堅さからくる安心感が、物語の緊迫感を損なわない。
 物語に暗さはないのだが、複数の家庭崩壊が描かれるところが時代を表しているのだろうか。70年代パニック映画の嚆矢だというのだが、それよりも人間ドラマの絡み合いの方にこそ見所があった。そういう意味では横山秀夫作品の味わいに近い。
 映画的には、バート・ランカスターやディーン・マーティンなどの主役級には思い入れはなく、むしろジョージ・ケネディが画面に現れると、その安心感たるや、もはや快感ですらある。

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