2019年4月20日土曜日

『インフェルノ』-申し分のない娯楽映画なのに

 『ダヴィンチ・コード』『天使と悪魔』とも、娯楽映画として充分な面白さだったのだが、これもまた、同様に豪華なロケと絵作り、緊迫した展開でみせるとはいえ、どうも既視感を覚えてしまい、緊張感がなく終わってしまった。ついでにいえば娯楽映画の悪いところで、録画したものを観るのに、細切れに観てしまって感興を損なうというパターンにはまってしまった(こちらが悪いのだが)。
 そうなると展開のご都合主義が目についたりして、サスペンスも半減。本人の危機も世界の危機(バイオテロによる人類粛清)も、本気でハラハラしない。トム・ハンクスにアクションをさせる必要はないのに。謎解きの興味で引っ張っていって欲しいのに、そこはむしろついて行けないほど急展開で、わからないことだらけだから、真相がわかってもむしろ拍子抜け。
 「扉の前では興味深いことが起こる」とかいう気になる箴言が語られるのだが、これが、真意をつかめないままで深みを与えるには至らず。

 冒頭でテロ首謀者が塔から飛び降りて死ぬという展開は『機動警察パトレイバー the Movie』だ! 残念ながら帆場の持っていた神秘性は、本作のゾブリストには感じられない。単に極端な人、というくらい。
 謎の組織の幹部を演ずるイルファン・カーンが格好良いのだが、何で観た人かと調べてみると、NHKのドラマ『東京裁判』でパール判事を演じていたあの人だ!

0 件のコメント:

コメントを投稿