2019年4月28日日曜日

『死霊館 エンフィールド事件』-これは凡作

 第一作の『死霊館』はなかなか面白くて、以前「佳品」と表現したのだが、こちらは凡作と言っていいと思う。展開的には想定の範囲内のことしか起こらず、演出的にもそれほど目新しいものはなく。
 例えば心霊現象が、それを疑う人には信じられないことがもどかしくなるような展開にもできたろうに、関係者のほとんどが、疑いようもない怪奇現象にあっさりと直面してしまい、観客的には疑いようもないにもかかわらず、疑う人はそれでも疑う。疑う人の疑いに観客は共感もできない。
 もちろんこれは心霊現象なのか心理現象なのか狂言なのかと観客が自問するような作品は最初から目指されてはいないのだが。
 あるいは恐くないかと言えば恐いのだが、それは専ら恐いメイクをした「悪霊」が迫ってくるのが生理的に恐いのだし、脅威もほとんどポルターガイストによる物理的な危険だ。しかも、肝心なところでは決して致命的な危険は感じないような演出になってしまっている。史実に基づいて、ということなのか、あるいは子供たちを血祭りにあげるわけにはいかないから、まあしょうがないのかもしれないし、ともかくもホラー映画としてはあまり効果をあげていない。

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