久々に白石晃士を。だがネットの評価は低い。まあ期待も低い。
はたしてそうなのだった。『オカルト』のあの異様な感触はない。
画面が映画的ではなくテレビ的なのは、テレビ番組を模したモキュメンタリーという体裁だからいいのだろうけど、結局それで『オカルト』の時に感じた、これはどこまでホントっぽく見せるつもりなのかという、観客と作り手の探り合いのようなものが生まれなくなってしまった。
例えば「フッテージもの」と呼ばれるのは、画像の粗さがリアルだったりする。映画のフィルム的な空気感も、異世界を作り上げる。
だがテレビ的画面の平板さは、だからこそそこに生じた異変に異化効果を生み出しうるという狙いがあったのかもしれないが、結局安っぽいテレビ番組的な世界しか作れていない。どうみても自覚的にやってるとしか思えない安っぽいCGも、「どこまで本当か」という境界の揺らぎを引き起こさないから、逆効果だ。
だからこそネットでは、この監督は何を考えているんだろうといった不安定感を楽しむ、といったもう一捻りした楽しみ方をしている人もいるのだが、その前にまず真っ当な創作物を見たい。
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