たぶん2回観て、新海作品では最も好意的な印象を持っているんだが、具体的にどういう話かは覚えていない。SF設定としてかなり緻密な印象なのだが、今回も結局どういうことなのかわからずじまいで、具体的に話の筋が覚えられないのはそのせいなのだった。
だが観直してみると、やはり良い。風景がきれいだというなら最近作になるほどどんどん手が込んできれいになっていくが、もう20年近くなるこの作品を最初に観た頃は、『ほしのこえ』同様、CGによる美術のあまりのきれいさに驚嘆したものだ。観直してみると、やはりすごい。最近作は人の手を離れてしまっているようなすごさになってしまって、かえって感動がうすれてしまっているように感じる。
それと、やはり人間ドラマだ。見ればそれなりにアニメ的なキャラクターの描き方もしている。それでも、宇宙の果てで闘いながらメールを待つ『ほしのこえ』といい、夢の中で一人で助けを待つ本作のヒロインといい、基本的に不器用にしかコミュニケーションをとれない登場人物たちの切実さが、最近作にはない感動を呼ぶのだった。
最近作の大作ぶりとはまるで関係なく(ほとんど反比例して)、圧倒的に感動的。
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