2023年3月26日日曜日

『ハードコア』-全編一人称カメラ

 全編一人称カメラという試みが売りのSFアクション。超能力を操り、謎の組織を率いる悪役と、そこに改造されたサイボーグの主人公が闘う設定は『仮面ライダー』だ。敵のサイボーグたちに比べてなぜ主人公だけがとりわけ強いのかは謎だが、まあストーリーはどうでも良い映画だった。とにかくその撮影方法にだけ興味が湧く映画であり、それだけだった。そこについては、パルクールを使った撮影や、カーチェイスとからめた撮影など、おそろしくサスペンスフルな場面があちこちにあって、かなり感心した。銃撃戦も含めて、撮影には相当な手間がかかっているのがわかる。

 とはいえまあそれだけ、でもある。主人公に感情移入するわけでなし、最近『Swallow』で観たばかりのヘイリー・ベネットが出ていたが、こちらではそれほど魅力的とは言い難い単なる美人の悪女キャラでしかなかった。

 途中、野生の馬を捕まえて、それで敵を追いかける展開になりそうになって『荒野の七人』のテーマが勇壮に鳴り響いて、さてと思ったとたんに落馬して馬だけ走り去るというユーモアにはニヤリとさせられたが。

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