何映画かわからずに見始める。サスペンスフルではあるが、犯罪がらみか、オカルトにいくのかもわからない。サイコな雰囲気ではある。
とりあえず、満たされた結婚生活に見えながら、実は満たされていない美しい若妻の孤独を描いているのはわかる。その危ういバランスがサスペンスフルではある。
そのうちに妙な展開になる。若妻が、ビー玉を飲み込む。どうしてもそうせずにはいられないような心理になっていることが充分伝わる緊迫感が画面に満ちあふれている。何を意味する描写なのかと思っていると、次は画鋲だ。
異食症というのだそうだ。妊婦に多いというのだが、もちろん単に主人公が妊娠したからではない。結婚生活が恵まれていることと裏返しの孤独と抑圧に満ちたものであると描かれていることは明らかであり、さらに出生についての特異性がまたその原因であるようにも描かれている。
結末がある種の解放と自立を意味しているように見るとテーマは単純だ。
だが見ている最中の感情は、明らかに主演のヘイリー・ベネットの演技によってかき立てられている。どうにも特異な顔立ちの女優だ。北欧系のようにも東洋系のようにも見える。少女のようにも見える。
テーマであるところの女性の自立については賛否あることがネットの評価でもわかるが、さしあたって主人公の解放と思えばそれは面白いかどうかで良かろう思う。
撮り方も巧く、何だか胸騒ぎのする映画ではあった。
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