2025年9月19日金曜日

『真・鮫島事件』-怖さよりカタルシス

 口にしただけで呪われる噂が伝染するというアイデアは『リング』のパクリだが、思えば『リング』はビデオテープを再生するという手間がかかるところが時代だった。そこにネットの普及を前提にしてしまえば、もうパンデミックは避けられない。そのわりには少人数に災厄がふりかかるだけで終わる。

 演出は良い。怖い。ホラーだと思って観ると、にわかに画面の隅々が想像力によって怖さの源泉になる。緊張がとぎれない。ジャンプスケアを使ってくるかどうかわからないので(たぶん使うんだろうとは思って観る)。

 展開はまるで『Zoom』で、これもパクリレベルでほぼ既視感がある。 

 ただ呪いを解くためのアクションを起こす(兄弟に頼んで、部屋の中の展開の外に出る)という展開がオリジナルだが、そこに突然絡む「七つの大罪」は意味不明だし、そこら中で飛び出してくる悪霊は「伽椰子」だし、その末にせっかくはたらいてくれた兄の努力が無駄になるのは誰得なんだ。その絶望感がホラー? いや、怖さよりカタルシスだろ。

 突然、呪いの場所は柏だという設定が語られてびっくりした。


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