2018年12月22日土曜日

『ラスト3デイズ 彼女のために』-うまいが腑に落ちない

 ポール・ハギスがハリウッドリメイクを決めたというのを見て、事前情報なしにレンタル棚から選んだ。冤罪で収監されている妻を脱獄させるべく苦闘する夫を描いたフランス産サスペンス映画。
 悪くない。絶望的な状況からそういう突飛な選択をする夫の心情も描けているし、作戦実行における緊迫感もある。母子の微妙な心理はうまく描いていた。
 工夫を凝らした展開もちょっといい。病院からの脱出の際、追ってくる警察を振り切って逃げつつ、前方からはパトカーが迫る。轢き殺すわけにもいかないから停まったのは狭い通路で、左右の壁に挟まれてドアを開けて外に出るスペースがない。そこで主人公たちは車を乗り越えてパトカーの背後に逃げる。バックして追うと、狭い通路を出たところで救急車両と衝突する。
 最後にどうなるのかと思っていたら、結局逃げおおせて、これからの逃亡生活が困難であることが暗示されて終わり。ええっ? 成功するの? 予想外。
 冤罪がどうにかして晴れるという展開なんだろうと思っていた。それらしい意味ありげな伏線らしき描写があって、その回収がない。なぜだ?
 うまい映画だと思うが、腑に落ちない。

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